まったく、今、四人はすこし仕事がしたくなりました。メグがコック長となってさっそく食事の仕度がはじまり、みんなおもしろがってやりました。おかあさんは、じぶんのことはかまわないでといいましたが、おかあさんの食事は用意され、ジョウが二階へはこびました。わかしすぎた紅茶はにがく、オムレツはこげ、ビスケットは重曹でかたまって、ぶつぶつしていましたが、おかあさんは、感謝して受け、ジョウが去ってしまうと、おかしくてたまらなくて、ひとりで笑ってしまいました。
「かわいそうに、みんなこまっているでしょう。でも、そうつらいとも思っていないだろうし、後のためにもなることだから。」と、つぶやいて、おかあさんはじぶんで用意しておいたもっとおいしい食物をとり出し、運ばれた食事はわからないようにしまつして、食べたことにしておいたので、みんなはうれしがりました。これはおかあさんらしい、ちょっとしたうそでした。
ところで、階下ではいろんな不平が起りました。食事の失敗に、コック長はひどくくやしがりました。